- 澄んだ記憶にて。 -



澄んだ記憶に神経が割れ出す
音を立てずに 静かに消える
選択肢を選ぶ事もできないまま
感覚を想起していく。

私の脳内回路を 何かが蝕み始める
機能停止状態寸前 知らないものが頭を過ぎる
私の思考と裏腹に 見えてきた懐かしい記憶
涙が止まらなくなり 胸の奥が熱くなっていく

そして...
嘘と真実の区別つかない
目眩に襲われる
辺り暗くなり 景色がぼやけ
その場に倒れ込む 

記銘不可能 障害が邪魔する
空白のページ 静かに捲る
もう一人が中に潜む
錯乱する 感覚を麻痺していく

不明回路を切断する 一時的の破壊免れる
逃行する足に止まない声 強く強く降り止まない雨
支障懐す笑い声に 幻覚幻聴に犯され
恐怖に怯える五感 たちまち広がり始める

やめて...
古い回想は長い物語
忘れてたはずなのに..
無理に引き出され 気持ちを焦がす
端末が読み込まれ 破損する

強い衝撃の音と共に エラーコードに侵食される
その瞬間古い記憶の 私が覚醒し始める
知らなかったわけじゃなくて 記憶の奥閉じ込めていた
二人の人格的法則 無意識に交差する反応  

やがて...

暗闇は広がり 完全になる
体は奪われる
辺り見渡せば 回廊が続く
その先へ 踏み入れる 

引き返せない 後戻りはできない
障壁は存在価値を失う
一本道を 歩く名残
孤独の中 

彷徨う

澄んだ記憶に神経が割れ出す
音を立てずに 静かに消える
意思をなくし隔離されて 目的のない
感覚を終わらせていく

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